時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

藤井財務相の発言は中国への間接支援?

 藤井財務相は、円安政策には否定的な見解を示したそうです。もちろん、外国為替市場への政府介入による円安誘導は必ずしも評価されることではありませんが、その一方で、中国や韓国が、自国通貨安政策で、輸出競争力を不当に高めていることも事実です。

 中国も韓国も、自由貿易主義の恩恵を享受し、自国製品に対するセーフ・ガードの発動に対して非難していますが、対外通貨政策を見る限りでは、保護主義に走っていると言わざるをえません。自由貿易体制では、各国が、関税撤廃のみならず、外国為替市場における通貨取引を自由化しませんと、公平で公正な競争は実現せず、国際貿易は歪んでしまうのです。外国為替市場に政府が介入しないといする点において、藤井財務相の発言は自由貿易の理念に反してはいませんが、中国や韓国の対外通貨政策を黙認しているとなりますと、自国企業が被る不利益に配慮していないことになります。

 円安容認の発言をするならば、合わせて中国の元高政策や韓国政府の市場介入に対して苦言を呈するべきであり、このままでは、アンフェアということになりましょう。政府の円高容認は、自国企業ではなく、間接的に中国を支援することにもなると思うのです。

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