時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国系教員による日本の大学教育?

 週刊誌の記事によりますと、近年、日本国の大学などで急激な勢いで中国人教員数が増加し、現在では、2507人にものぼっていると言います(週刊新潮2月7日号「変見自在」)。この記事が事実であるとしますと、日本国の大学教育、ならびに、将来の国民性に異変が起きてしまうかもしれません。

 第一に憂慮される点は、自由や多様性を否定する共産主義の考え方が、学生に浸透してしまうことです。明治の開国以来、日本国では、戦前にあっては共産主義こそ否定されはしましたが、自由な思想や学問については比較的寛容でした。戦後の日本国憲法下にあっては、なおさらのことです。しかしながら、思想弾圧を常とする国の教員が、日本国の学生の自由な思考を伸ばそうとするはずもありません。イデオロギーの刷り込みが行われますと、日本国民は、自らの自由を放棄するという愚行に走るかもしれないのです。この問題は、特に文系の学部で心配されます(週刊誌の記事では、中国の国益擁護の学説が展開されることを危惧していました)。

 第二に、中国や韓国といったアジアの諸国では縁故主義がまだまだはびこっており、出身国を同じくする人々を優遇してしまうことです。これは、学生の成績評価のみならず、後継者やポストの人選においても働くかもしれません。この傾向が続きますと、いつの間にか、大学の教職員は、中国系の人々で占められてしまうことになりましょう。

 現在、中国は急速な経済成長を遂げていますが、人口も資源も乏しい我が国の堆一の強みは、思想や学問の自由が認められていることであり、これらが保障されている限り、我が国は、多様な人材を生み出し、発展してゆくことができます。大学教育まで”中国式”となっては、日本国の将来は、まことに危ぶまれると思うのです。