時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

NHKも”パーキンソンの法則”に従う?

 公共放送であるNHKもまた、官僚組織の欠点として指摘されている”パーキンソンの法則”からは逃れられないようです。本日の新聞に、NHKの福地会長のインタビューが掲載されており、地上デジタル投資と年金積立額の不足により、2011年までは、受信料を値下げできない、というのです(本日付日経朝刊)。


パーキンソンの法則”とは、官僚組織の自己増殖のメカニズムを説明するもので、つまりは、官僚が、新たな仕事や権限を造りだすことによって、組織全体の肥大化を招いてしまうというものです。効率性や収益性を度外視することができる公的な組織ならではの、救い難い欠点と言えそうです。NHKもまた、事業の拡大には熱心であり(その割には、諸外国と比べると映像技術や色彩感覚が劣っている・・・)、民法の守備範囲をも浸食する勢いのように見えます。事業は拡大する一方で、不要な部分を削るつもりはないのですから、経費はかさむ一方になってしまいます。

 NHKの年金積立額の不足分が、どのような理由で発生したのかはわかりませんが、あるいは、これもまた、拡大路線の延長線上で、思わぬ損失を被ったのかもしれません(どなたか、ご存知でしたら教えてください)。NHKでは不祥事が続いていますが、パーキンソンの法則から逃れる術を身につけ、国民が納得すような事業に専念しませんと、民営化論に拍車がかかると思うのです。