時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

円高は資源高では怖くない

 ニューヨークの外国為替市場では円高が亢進し、三年ぶりに103円の高値をつけたと言います。円高は、輸出関連企業の株安を招くなど、日本経済へのマイナスの影響が懸念されていますが、資源高の現状を考慮しますと、それ程、心配するには及ばないかもしれません。

 昨今の急激な原油やレア・メタル市場の価格上昇は、原材料を輸入に頼らざるえない日本国の製造業に打撃を与えてきました。つまり、円安は、企業の資源の調達にはマイナスであったのです。円高の亢進は、この苦境を脱することができるという一面において、製造業にとっては、救いであるかもしれないのです。ですから、円高が輸出を抑制するとしても、現在の円高の局面では、プラス・マイナス・ゼロとなる可能性が高いのです。

 何れにしましても、強い経済とは、市場の変化に対して迅速に対応できる柔軟性をもつこと、とは言えましょう。