時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

民間金融機関も温暖化対策国際基金へ出資を

日本国政府は、米英とともに総額5000億円規模の温暖化対策国際基金をつくり、途上国の環境技術の普及を支援する方向と伝えられています(本日付日経朝刊)。ところで、この国際基金、政府による出資のみならず、民間金融機関にも出資を依頼してはどうか、と思うのです。

 その理由は、地球温暖化対策については、経済的な負担や削減努力が、エネルギー産業や製造業のみに重くのしかかっているからです。温暖化ガス排出が、市場経済のシステム自体から生じていることを考えますと、金融業のみが、全く負担を負わないことには問題があります。金融機関の温暖化対策協力策として、こうした国際基金への出資を求めることは、温暖化対策の一環として検討に値するのではないか、と思うのです。

 企業に対する排出削減は相当に義務的ですので、金融機関に対しても、資本規模などを基準に出資を義務付けることもできましょう。もちろん、基金への出資ではなく、プロジェクトへの個別的な投資を認める方法でも構わないのですが、少なくとも、金融機関もまた、温暖化対策には相応の負担を負い、協力すべきと思うのです。