時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

外交機密費疑惑の解明方法

 昨日、外交機密費の不開示処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審が東京高裁であり、「公になれば不利益」ということを理由に、開示対象の大幅限定を認める判決が言い渡されたそうです(本日付産経新聞朝刊)。そもそも、この問題、外務官僚等の不正蓄財や私的流用が問題になったことを考えますと、別の方法で資金の流れを透明化することもできそうなのです。

 それは、外務官僚の資産調査です。公務員の給与については、法律によって給与額が定められており、職権を濫用したり、賄賂を受け取らない限りにおいては、自らの資産を増やすことは不可能なはずです。この側面から見ますと、在任中に、給与総額を超えて資産を大きく増やしたり、高価な動産や不動産を購入した官僚には、不正な蓄財があった可能性が認められます。つまり、調査機関を設置し、官僚の個人資産の出入を把握することによって、不正や汚職の有無を確認することができるのです。

 近年に至って、官僚の倫理観の低下は著しく、政治家と同様に、官僚の資産も情報公開しませんと、国民からの信頼は得られそうにありません。悪が出現すると、対抗措置を採らねばならなくなることは、まことに、悲しきことです。