時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

主体思想破綻の象徴

 北朝鮮という国は、共産主義のみならず、主体思想という特異な思想によって支えられていると言われています。この思想を生みの親である黄氏は亡命し、思想としては既に破綻しているのですが、未だに金独裁体制の維持のために国民には刷り込まれているようです。

 さて、主体思想の特徴とは、指導者が国家の頭脳に当たる頭であって、国民をはじめ、他の機関はその手足となるべき体であると見做していることです。17世紀にヨーロッパで流行した国家有機体説の影響を多分に受けた思想であり、全体主義思想の典型とも言えます。ところが、頭となるべき指導者が脳溢血で倒れたとなりますと、この思想の破綻は明々白々です。何故ならば、個人崇拝の対象であり、国家のトップである人物の頭の病は、そのまま国家の病気と機能不全を意味してしまうからです。所詮、全知全能でも、不老不死でもない人間には、無理な思想なのです。

 21世紀となりますと、主体思想は、現代の国家に通用すべくもありません。北朝鮮は、この現実を直視し、主体思想の放棄(もちろん、共産主義も)と民主化に向けての変革に踏み出すべきではないか、と思うのです。

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