時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

止める勇気を歴史から学ぼう

 本日、リーマン・ブラザーズの破綻のニュースが駆け巡り、世界同時株安の様相を呈しているようです。経済においても、90年代のわが国のバブルに際しても、誰もが、この状態は続く続くわけがない、と思いながらも、誰も止めることができませんでした。何故、人間は、分かっていながらも、止めることができないのでしょうか。

 この人間の”止められない”という性質は、経済のみならず、政治の分野においても見られます。合理的に考えれば、先々上手くいくわけがないことが分かっていても、破滅に向かって突き進んでしまった事例は、歴史に枚挙に遑がありません。それでは、人間は、この悪しき習性から逃れることはできるのでしょうか。もし、それができるとしますと、それは、経験や歴史を謙虚に受け止め、教訓とするしかなさそうです。

 残念なことに、現代の教育を見てみますと、歴史から学ぶ、という態度からは程遠いようです。特定のイデオロギーや思想に染まった歴史教育はあっても、生きた歴史の教育はないのです。もし、経験知や歴史の教訓のみが、止める勇気を与えるとするならば、歴史とは、先人が後世に残した貴重な遺産かもしれないのです。

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