時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

学力テスト公表に反対する教育委員会の根拠とは

 全国学力テストの結果の公表については、特に、市町村の教育委員会からの反対が強いようです。しかしながら、もし、国民の多数が公表を望んでいるとしたならば、教育委員会には、公表に反対する理由がないのではないか、と思うのです。

 教育委員会は、戦後、政府による教育への介入や統制を避けるために、独立性の強い機関として設置されました。この独立性は、あくまでも、政府の恣意的な教育介入を防ぐためのものであって、教育委員会に対して、恣意的な運営を認めるものでも、外部からの絶対的な不介入を定めたものでもありませんでした。今日では、政治の民主化も進み、戦前の教育制度とは大きく違っているのですから、教育委員会も、国民多数の意見に従う方が、民主主義の原則に則しているのではないか、と思うのです。

 もし、教育委員会が、政府からも、国民からも遊離した存在となっているとしますと、むしろ、こちらの方が問題です。教育委員会の教育に関する権限は、決して小さいものではありませんので、もし、何らかの私的な集団の砦となり、密室化しているならば、教育委員会制度そのものを見直さなくてはならなくなるではないでしょうか。

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