時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

基礎年金は全額税方式しか選べない?

 自民党総裁選挙の最有力候補である麻生氏が、公的年金制度については、消費税を財源とした全額税方式を主張していることはよく知られています。一方、民主党の代表に選出された小沢氏もまた、この問題については、基本政策として全額税方式を唱えているのです。

 もし、麻生氏が自民党総裁に選ばれるとしますと、自民党民主党も、両党とも全額税方式ということで、基礎年金の制度改革で一致してしまうことになります。このことは、国民の多くが、たとえ現行の制度を支持していたとしても、もはや、選択の余地がなくなることを意味してしまうかもしれません。全額税方式については、まだまだ詰めなくてはならない部分が多く、例えば、これまで納めた保険料の扱いや受給資格の問題もあります。また、消費税方式ですと、給付額が、景気の変動にさらされるという不安定性も指摘されています。こうした不明瞭な点が数多くありながら、全額税方式で決定となりますと、後々、モラル・ハザードや制度の持続性について深刻な問題が発生するかもしれません。

 公的年金制度については、国民の納得と了解を前提とすることが望ましく、時間をかけた議論を要するのではないか、と思うのです。

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