時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

見栄っ張りな国家の不徳

 ニュース報道によりますと、中国政府は、国威発揚のために”神舟”をはじめとした宇宙開発を行い、北朝鮮は、明日の建国記念日のために大々的な軍事パレードを行うと言います。ロシアもまた、国家の威信や面子に敏感な点において、こうした”見栄っ張り国家”の一員と言えるかもしれません。

 見栄っ張り国家の特徴とは、国家の表面にこだわり、国内の状況が如何に悲惨であったとしても、それについては、大した関心を払わないことです。国民の生活水準が低かろうが、国民が餓えていようが、外面さえ強うそう、あるいは、きれいにに見えれば、それでよいと考えているのです。このため国家予算の大半を面子のために費やし、生活関連の予算はわずかしかありません。一般の家庭にあっても、エンゲル係数の上下が生活水準の指標となるように、まずは、食が大事であり、その次に衣と住が続きます。しかしながら、見栄っ張りな国家は、衣と住がどころか、武器や装飾品が第一であり、食は後回しなのです。

 こうした諸国に民主化が必要な理由は、この予算配分の歪みからも説明することができます。国民が自ら納めた税の使い道に対して、国民が意見を言えるようになったとき、これらの国々がもたらす脅威もまた大きく低下することになりましょう。

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