時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

お相撲から伝わる危機のシグナル

 お相撲は、日本国の国技であり、その起源を辿りますと神事に行き着きます。ところが、近年になって、お相撲界から、次から次へと良からぬ事件の報道が聞こえてくるようになりました。これは、お相撲界が、数年来の危機にあることのシグナルなのではないでしょうか。

 ここ一年を振り返りましても、新弟子のお相撲さんを部屋ぐるみで暴行を加えて命を奪った事件がありましたし、最近では、大麻で逮捕されるロシア人力士が続出する事件が発生しました。また、横綱朝青龍関のモラル欠如が問題になったことに加えて、モンゴル巡業でも、朝青龍関の個人的なビジネスが関与しているとの報道もありました。もちろん、お相撲は、興行であって一種のビジネスではありますが、個人的な利益に利用されるのは、やはりいただけません。日本人力士が減少する中で、外国人力士の数も増え、いわば、ウィンブルドン化の傾向にあるのですが、何か、大切なものを失いかけているようにも見えるのです。

 それは、おそらく、精神性というものなのかもしれません。自浄作用が働かず、根底にあるべき精神性を失いますと、これまでお相撲を支えてきた人々の心もまた、離れてしまいましょう。そうして、このお相撲の姿に、どこか、日本国の姿が重なって見えてしまうのです。

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