時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

誰かが中国にルールを教えなくては

 東シナ海の日中共同開発案は、どこから読みましても中国有利の決着なのですが、それでも、中国の愛国主義者たちは、この案では日本への大幅な譲歩にあたると、ネットに怒りの書き込みを行っているようです。果たして、この怒りは正当な根拠を持つのでしょうか。

 もちろん、正当な根拠などあるはずもありません。国際法に照らしてみれば、中国が、大陸棚を主張して身勝手な境界線を引き、ルールを無視して一方的にガス田開発を行っていることこそ、問題なのですから。これでは、法律違反を咎められただけで、逆切れする犯罪者と同じです。咎めた方が、悪者にされるなど、もっての外なのです。識者の意見の中には、中国の愛国主義にも配慮すべきとの声も聞かれますが、誰かが、守るべきルールや行動規範を中国に説きませんと、国際社会は、無法地帯に転じてしまうことになりましょう。

 譲歩のみが外交ではなく、ルールに基づいて、国家が相互に相手の権利を尊重しあうような国際秩序を構築することこそが、真の外交であると思うのです。

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