時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

宝くじ付き国債より財政赤字削減にアイディアを

 新聞報道によりますと、財務省内で、個人向け国債として、「くじ付き国債」なる案が浮上していると言います(6月17日付日経夕刊)。これは、利息がつかない代わりに、毎月一度の抽選で賞金が当たるという制度で、イギリスの「プレミアム・ポンド」の模倣らしいのですが、この方法は、何ともいただけないように思うのです。

 イギリス人の籤好きの国民性を考えますと、確かに、この制度はイギリス国民の心を掴むものであったかもしれません。しかしながら、日本国民のお堅い国民性、少なくとも、政府に対して真面目さを求める国民性を考えますと、この制度が国民多数の支持を得られるとも思えません。財務省が、国債の新たな引き受け手として個人に期待し、個人向け国債の発行を増やすための工夫なのでしょうが、利払いの削減を宝くじ方式で実現するのは、何か筋違いな気がするのです(公営ギャンブル化?)。

 今般の財政赤字を考えますと、まず第一に知恵を絞るべきは、如何に国債の発行総数を削減するかであって、引き受け手を増やす方法ではないように思うのです。

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