時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

政策の”抱き合わせ販売”は困りもの

 自民党中川秀直氏は、自らの政策綱領として、「移民1000万人計画」を打ち出す一方で、財政政策については、増税ではなく歳出削減路線を主張しているようです。氏の頭の中では、この二つの政策は、新自由主義に基づく一貫性のある政策綱領なのでしょうが、国民にとりましては、悪しき政策の”抱き合わせ販売”の一例とも言えそうです。

 政治と経済との関係を考えるとき、両者が、別のメカニズムをもつ領域であると認識するか、否かによて、政策は、ずいぶんと違ってきます。氏の場合、おそらく、市場における企業活動を最大限に引き出す手法として、安価な労働力の”輸入”と民間主導型の経済成長を並べたのでしょう。しかしながら、経済決定主義は、いわば、政治や社会を無視しており、労働力輸入政策が、政治や社会の分野にまで波及することを考慮していません。純粋に経済分野に留まらずに、移民政策のように波及性を持つ政策には、波及先においてこそ破壊的な作用を及ぼす場合もあるのです。氏は、この点において、経済決定論者、あるいは、政経一元主義者と言えそうです。

 このように考えますと、民間主導の財政削減路線と移民政策とは、分けるべきであり、国民が、アラカルトに政策を選択できる方が望ましいことになります。不人気な政策と人気のある政策とをセット化する政策の”抱き合わせ販売”は、政治における”独禁法違反”なのではないでしょうか。

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