時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

憲法九条論争―どちらが天使でどちらが悪魔?

 憲法9条論争に際しては、今日でも、改正反対派と賛成派が、お互いに一歩も譲らず対峙する構図が続いています。特に、平和主義者である改正反対派の人々は、賛成派の人々を”悪魔”呼ばわりしているあり様です。それでは、一体、どちらが天使で、どちらが悪魔なのでしょうか。

 絶対的平和主義者の論理によりますと、戦争や軍隊を放棄することを主張する自分たちこそが、平和の使者であり、神から遣わされた天使ということになります。人類の恒久平和に尽くす行為は崇高であり、天使にふさわしい姿と見做しているのです。この理想からみますと、合法的な戦争を認め、軍隊を保持しようとする改正賛成派の人々は、暴力を振りかざす悪魔の姿に映ることになります。

 その一方で、改正賛成派から見ますと、自分たちこそが、国家の独立と国民の生命を守るために闘う天使、ということになります。悪魔とは、言葉巧みにやさしい顔をして人間に近づくものですから、戦争や軍隊の放棄を誘うささやきは、悪魔のささやきと同じに聞こえるのです。悪魔は、戦う術を放棄させ、これ幸いとばかりに、残酷な手段で人間に襲いかかってくかもしれません。このように考えますと、善意で改正反対を主張している人々も、悪魔に騙された人々に見えてくるのではないでしょうか。

 さて、皆さんは、どちらが天使で、どちらが悪魔であると考えますか?

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