時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

改憲しても平和憲法では?

 憲法改正については、護憲論者の人々は、”守ろう平和憲法”をスローガンに掲げて憲法改正に強硬に反対しております。しかしながら、このスローガンには、素朴な疑問があります。

 素朴な疑問とは、改憲すると、何故、平和憲法ではなくなるのか、全く説明していないことです。先日の記事でも指摘したのですが、憲法改正案では、戦争の定義を明確化し、”侵略戦争”は禁じています。第二次世界大戦において日本国と共に枢軸国であったドイツとイタリアの憲法でも、侵略戦争は禁じられておりまし、今日では、憲法におい同様の条文を設ける国も少なくありません。”侵略戦争の禁止”のみで十分に平和憲法たる資格があります。また、日本国の国際社会への復帰は第9条あってのことであり、その改正は、国際社会からの孤立と不信を招くとする説もありますが、独伊は、侵略戦争の禁止のみで国際社会に復帰しております。

 憲法第9条に述べられている戦力の不保持や交戦権の否定は、防衛戦争等の必要性に鑑みますと、要らぬ混乱を招くのみです。護憲論者の人々も、侵略戦争の禁止を以って平和憲法は維持されるのですから、改憲に反対する理由がないのではないかと思うのです。

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