時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国政府は北朝鮮の味方?

 外交とは、常に、相手国の言い分を聞き、足して二で割る方式で解決することである、と考えている人々が多いように思われます。しかしながら、全ての問題について、この方式が通用するわけではなく、目的を忘れたり、手順を間違えますと、自国の国益がゼロ、あるいは、大きくマイナスになってしまうことも珍しくありません。
 
 もし、報道されているように、拉致被害者の再調査に条件を付せずして、経済制裁の一部解除が決定されたとしましたならば、先日開かれました日朝協議もまた、この目的を忘れ、手順を間違えた交渉となる可能性が高いのではないでしょうか。調査の結果に拘わらず、言葉での約束だけで制裁が解除されるならば、北朝鮮は、いくらでも表面を”うそ”で取り繕うことができます。この場合、外交の順序は、正しくは、条件を付けた要求を行い、その要求に誠実に答えた場合のみ、こちら側も約束を果たすという順になるはずです。もちろん、拉致という国際犯罪には、見返りを与えることなく、無条件で解決されるべき問題なのですが・・・。

 日本国内の朝鮮総連は、この合意に先立って、万景峯号の入港の準備を既に進めていたというのですから、きな臭いこと、この上ないお話です。誰から見ても、外交の常識から逸脱する交渉を行っているところを見ますと、日本政府まで、北朝鮮の共犯者となっているようで、まことに情けなく、政府に対する信頼は、もはや地に落ちたと言っても過言ではないと思われるのです。

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