時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

投機志向の金融プログラミングを見直しては

 原油穀物といった商品市場に流れ込んでくる投機資金が、価格の高騰を招くという問題は、全世界の人々の生活を脅かしています。その原因の一つに、金融機関が、債権、株式、不動産、商品などの各種市場における値動きに合わせて、自動的に投資先を切り替えるプログラムを使用していることが指摘されています。

 例えば、一定幅以上に株式市場での下落があると、取引資金は、即座に投資先が切り替えられて、商品市場に向かうことになります。つまり、売買プログラムによって、自動的に、資金の流れが決定されてしまうのです。多くの金融機関が同じようなプログラムを使用している結果、ある現象が発生すると、一斉に同じ反応を示すことなります。このため、市場における高騰と暴落の振幅が激しくなり、石油価格や穀物価格の急騰という異常事態が発生する一因ともなっているのです。

 原油穀物価格の急騰が、物価に連鎖することは当然ですので、市民生活を直撃します。現に、海外では暴動やストも発生しており、これを看過することはできません。そこで、政府による政策的な解決が図られることになるのですが、金融機関もまた、プログラミングの見直しをすべきではないか、と思うのです。商品市場に投機的な資金が流入しないように、プログラムの組直しをするのです。

 そもそも、コンピューターに投資対象の選択を任せたことが、非道徳的な投機に拍車をかける結果となったのですから、人間が、自らの判断で手直しをすることによって、道徳性を回復できるかもしれません。そうして、願わくば、本物の投資家とは、自らの判断で優良な投資先を見抜く目利きであって欲しいと思うのです。

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