時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

二十五人の白雪姫は誤った教育

 平等教育の結果、ついに、学芸会で25人全員を白雪姫にするという学校まで登場し、海外でもその異常さが報じられているようです。ところで、そもそも、全員を同じ役に振ることは、教育上、良いことなのでしょうか。

 この教育方針は、いくつかの点で、悪しき教育である可能性があるように思われます。第一に、主役のチャンス平等と言いながら、実は、生徒の画一化を行っていることです。確かに、主役は主役なのですが、すべて主役では、主役の意味がありません。結局は、個性のないマス化された世界が出来上がることになります。

 第二に、現実の社会においては、すべての人が主役にはなれませんし、また、脇役でも劇の出来栄えを左右する重要な役どころや、面白みのある役どころはあるものです。むしろ、教育効果を考えますと、様々な人々で成り立っている社会の現実を教えるためには、いろいろな役に振り分けた方が世の中の深みを知ることができます。

 第三に、学校側の教育方針で、昔話を改竄することもいただけません。ほとんどの生徒さん達は、このお話を知っているのですから、不誠実な態度ともとられかねません。果たして、白雪姫25人で、劇は成り立つのでしょうか(王子様も25人?)?

 そうして、みんなが白雪姫になりたがることも、日本の教育の底の浅さを示しているようにも思うのです。

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