時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

エジプト情報の統制―革命国家中国の矛盾

 エジプトで発生した大規模な反政府デモに対して、中国政府は、ことの他、神経を尖らせているようです。いつ、自国に飛び火するのか、わからないのですから。

 中国は、情報統制を非難されますと、常に、体制の安定を言いだします。国民社会を不安定化する情報は、有害であると…。しかしながら、そもそも、自らは、国民の不満を背景に権力を掌握したのであり、革命に際しては、”造反有理”を唱えたはずです。社会が解き難い矛盾を抱え、政府が腐敗している場合には、それを批判するのは正当な行為であり、暴力を用いてでも倒してよいとしたのは、当の中国共産党なのです。この時は、安定など、歯牙にもかけなかったはずです。ところが、立場が変わった途端、今度は、国民の側の批判を許さず、それを弾圧するのですから、自己矛盾の極みです。

 国民多数が政府に対して不満を持つ場合、通常、国民の側ではなく、政府の側に問題があるものです。情報統制しなければならない国家とは、むしろ、政府が国民にとって有害な存在である証しであると思うのです。

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