時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

郵便不正事件の晴れない闇

 本日の報道によりますと、郵便不正事件において偽造有印公文書作成罪に問われていた倉沢「元凛の会」会長に対して、二審も無罪を言い渡したそうです。郵便法違反では有罪なのですが、これでもまだこの事件には、闇が残されているように思えるのです。

 この事件は、「凛の会」の名だけが知られるようになりましたが、同様の不正行為を行っていた”障害者団体”は6団体にも上り、ダイレクトメールの発送を依頼した広告主も11社を数えるそうです。この数からしますと、この手法は、個人が独自に考案して実行したものではなく、ある組織の間で”伝授”があったと推測されるのです。また、厚労省の係長が、個人的なコネクションを使って全てを手配したとは考えがたく、ここでも組織的な関与が疑われます。一通ならずも、6通もの偽造文書が作成されたのですから、これは、国家の信用を揺るがす大問題です。

 村木元局長の逮捕と無罪に隠れて、事件の闇がうやむやになることは、国家の信頼性に関わります。単独犯とされる元係長の公判で、ある程度真相が明らかにされるかもしれませんが、官庁にまで巣食う組織的な”闇”こそ、追求すべきなのではないでしょうか。

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