時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国の軍国主義復活は的外れ

 日本国のマスコミは、中韓をはじめ諸外国が、安倍首相の靖国参拝に対して批判的であると報じています。軍国主義の復活として。

 しかしながら、その実態は、全く逆なのではないかと思うのです。批判者は、靖国参拝は、東京裁判史観の否定、すなわち、サンフランシスコ講和条約の否定に他ならないと見なしているようです。しかしながら、サンフランシスコ講和条約東京裁判史観ではありません。日本国は、サンフランシスコ講和条約によって、朝鮮半島等を放棄したことで民族自決の原則に従い、当条約の発効によって主権を回復しております。つまり、民族自決と主権平等の原則をいち早く受け入れることで、戦後の国際社会の基礎造りに貢献しているのです。そもそも、日本国は、植民地解放を大戦の大義に掲げたのですから、民族自決や主権平等に反対する由もありません。一方、戦勝国の中には、ソ連邦や中国のように、戦後に至ってから他国を侵略したり、従属化した国もあります。軍国主義とは、このような国に対する言葉であり、日本国の戦争目的は既に実現しているのですから、戦後の国際秩序に対して意義を申し立てる理由がないのです。

 この点、中国や韓国の方が、よほど、主権平等や民族自決の原則に反する行動をとってきました。警戒すべきは、むしろ、これらの諸国の軍事的覇権主義と他国に対する支配欲なのではないでしょうか。

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