時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”戦争法批判”は時代錯誤

 参議院選を控え、各党とも、有権者に訴えるべく、自党の政策の宣伝に余念がないようです。特に野党は、安保関連法に関連して”戦争法批判”を繰り広げています。日本を戦争のできる国にしてはいけない、と…。

 しかしながら、”戦争法批判”は、時代錯誤としか言いようがありません。何故ならば、防衛や国際秩序の維持以外に、現在の日本国には戦争を行う理由がないからです。戦前は、北京議定書等により、日本国は、海外に軍を駐留させる権利を保有していました。また、中国大陸は分裂状態にありましたし、国際社会全体を見ましても、植民地が世界大に広がっておりました。戦前には、確かに戦争に至る原因が散見されるのですが、第二次世界大戦によって戦前の体制は一変します。戦後は、日本国は、これらの権利を失うと同時に、国際社会においても、民族自決主義や主権平等の原則が確立しております。仮に、防衛戦争や国際社会における警察的活動を”戦争”と見なして否定しますと、暴力国家の横暴を許し、国際社会もまた、弱肉強食の時代に逆戻りしかねません。

 以上の点からしますと、”戦争法批判”は的外れですし、時代の変化を無視した暴論でさえあります。時代錯誤の議論は、国家と国民の安全、そして、国際秩序さえをも危険に晒すことになるのではないでしょうか。

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