時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

舛添辞任密約論-あったとしても無効では

 議会解散に訴えてでも知事の椅子を手放さないのではないか、と警戒されていながら、舛添氏は、急転直下、辞任を表明することになりました。あまりの急変ぶりに、その裏には、密約があったとする噂が流れています。

 密約の内容とは、辞任の条件として、自公側が舛添氏に対して、(1)告訴状が提出されているものの、検察による捜査はしない、(2)都議会での百条委員会設置を見送る、(3)20日に予定されている都議会での集中審議を中止する、(4)しかるべきポスト用意する、の4条件を認めた、というものです。しかしながら、この密約、無効ではないかと思うのです。少なくとも、(1)については、決してあってはならないことです。政治サイドが、検察に圧力をかけて捜査を止めさせるとしますと、これは、れっきとした司法に対する政治介入となります。違法性を問われる可能性もあるのですから、この約束は、たとえ存在していたとしても無効です。

 舛添氏は、今なお、知事を辞任することになったのは、政界における条件闘争の結果であると見なしているかもしれません。しかしながら、舛添氏を真に辞任させたのは密約ではなく、氏を東京知事として不適格であると認定した都民であり、国民世論です。辞任に追い込んだのが選任者でもある都民である以上、密約の存在は、無に等しいと思うのです。

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