時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

危険な北朝鮮への友愛外交

 民主党鳩山代表は、北朝鮮に対しても”友愛”をもって外交に当たる方針と伝わっています。しかしながら、ヒトラースターリンへの”友愛”が空虚に響くように、北朝鮮への”友愛”もまた無理どころか、危険でさえあると思うのです

 ”友愛”をもって接する融和政策が、戦争のリスクを高めた前例は、1938年のミュンヘン会談をはじめとして数多く歴史に見ることができます。この時、英仏首脳が、チェコスロヴァキアを犠牲にしてヒトラーと安易に妥協したことが、後にヒトラーを冒険主義に走らせた要因として指摘されています。また、北朝鮮の暴走に先立って、自殺された盧前大統領の政権期に韓国の積極的な太陽政策があり、これもまた、融和政策の失敗の事例に含めることができるかもしれません。融和外交は、相手が軍事力による解決を望んでいる場合、通常の外交以上にリスクの高い手法なのです。

 本日、北朝鮮がさらに長距離弾道ミサイルの発射実験を行うとの憶測も流されていますが、鳩山代表には、独裁者への友愛よりも、国家と国民を守ることに専念していただきたいと思うのです。

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