時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

女性宮家―皇位継承が不安定化する可能性

 本日、ネットのニュースに、女性宮家創設に対する賛成意見として、専門家とされる高森明勅氏の見解が紹介されていました。氏は、女系天皇の支持者として知られているようですが、氏の説は、皇位継承者指名制への変更に等しいと思うのです。

 何故ならば、氏は、今般の皇室典範改正は、周囲が、天皇陛下のご意向を忖度して行うべきと主張しているからです。高森氏が、女性宮家の創設に賛成であるのも、陛下の賛意を読み取ってのことらしいのですが、こうした形での法改正が前例として定着しますと、以降、同様の理由で、何度でも、皇室典範は改正可能となります。例えば、今回の改正では、政府は、男系を維持した上での一代限りの女性宮家の創設を想定しているようですが、次の代となりますと、永代宮家と女系天皇を認める方向で改正が行われるかもしれません。そして、その次の代となりますと、称徳天皇弓削道鏡天皇にと望んだように、天皇の信頼を得た一般の人が皇位継承者となるかもしれないのです。つまり、決まりごととしての皇位継承法というものは、なくなってしまうのです。

 皇室典範の改正は、皇室の安定化を目的としていると説明されていますが、逆に、不安定化する可能性も否定できないと思うのです。

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