時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

もんじゅ擁護論

 昨日の仕分け会議では、高速増殖炉もんじゅ”が集中攻撃を受けており、文科省さえ、及び腰の発言をしていました。しかしながら、40年以上もかけて、もんじゅを開発してきた理由を考えますと、無碍に批難ばかりはできないと思うのです。

 第1に、軽水炉から出る核廃棄物の処理に役立つことです。高速増殖炉は、廃棄物からエネルギーを得る究極の資源の再利用であり、その分、処理が難しい廃棄物を減量することができるのです。

 第2に、エネルギー源を輸入に頼っている我が国にとりましては、核廃棄物が再利用できれば、自給率を格段に高めることができます。

 第3に、仮に政治的な要因などにより海上封鎖され、石油や天然ガスなどの輸入が途絶えた場合、備蓄が底をつけば”お手上げ状態”となりますが、高速増殖炉があれば、この危機を長期間にわたって凌ぐことができます。

 第4に、地球上の人口が70億人に達した今日、エネルギー源は、多ければ多いほど助かります。エネルギー源が限られているとしますと、壮絶な奪い合いが起きるかもしれません。

 ”もんじゅ”は、今年から実験的な運転を開始する予定にあり、実験結果を待たずして、”廃止”ともなりますと、これまでの努力も投資も水泡に帰します。核融合技術も進展しているようですが、以上のメリットを考えますと、判断は、早過ぎると思うのです(なお、民主党政権に仕分けされたプロジェクトの方が成功している・・・)。

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