時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

除染に40兆円―過去の核実験と半減期の考慮を

 政府の試算によりますと、福島第一原発の事故によって汚染された土壌などの除染に、今後、40兆円の費用が必要とのことです。その一方で、中国が大気圏中での核実験を行っていた時期の方が、現在よりもはるかに放射能の測定値が高かったとも報じられています。

 放射性物質には半減期があり、自然に崩壊して放射線量が低下します。中国の核実験から30年が経過し、ようやく放射線量が低下した矢先に、福島第一の事故が起きたことになります。特に、セシウム137の半減期は30年ですので、今回の事故で大量に放出されたセシウム137も、時間の経過とともに放射性元素も低減してゆくことが予測されます。こうした放射性物質の自然崩壊を考慮しますと、現在、政府が検討しているほど大規模な除染を実施する必要があるのか、疑問なところなのです。

 放出された放射性物質の中には、半減期が万単位のものありましょうが、核実験に際しても、こうした物質は、既に我が国の土壌を汚染しております。40兆円にも上る国民の負担の重さを考えますと、過去の汚染や半減期をも考慮したコスト軽減策を検討すべきではないかと思うのです。

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