時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

牛肉のセシウム汚染問題―全頭出荷停止は過剰規制では

 政府は、セシウムに汚染された牛が一頭でも見つかった場合、その都道府県全域の牛の出荷を停止する方針で臨むようです。しかしながら、この方法、過剰規制ではないかと思うのです。

 放射性物質は、体内で摂取されると、ある部位に蓄積しやすい傾向があるそうです。放射性ヨウ素131は甲状腺に、ストロンチウム90はカルシウムと誤認されて骨などに蓄積します。カリウムと誤認されるセシウム137に関しても、筋組織への蓄積度が高いとのことであり、全身にカリウムがいきわたるわけではありません。つまり、特定の部位を取り除けば、食卓に内部被爆の可能性がある汚染牛が上がる可能性は低いのです。全頭出荷停止ではなく、危険部位の出荷を停止し、残りの部分については、放射能チェックで基準値を下回ったものについては、流通させてもよいのではないかと思うのです。

 政府の対応は乱暴であり、農家に被害を与え、消費者の混乱を助長するだけです。狂牛病に際しても、同様の措置を取ったはずであり、マイナス影響を最低限に抑えるよう、緩和策を考えるべきと思うのです。

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