時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

TPP-経済協定は進化するのか

 野田首相が、APECの首脳会談でTPP交渉への参加を表明したことから、日本国内でも、賛否両論が渦巻いています。反対の根拠としては、NAFTAで発生したマイナス面が挙げられているようです。

 まず、投資家を保護するために設けられたISD条項が、国家主権の侵害に当たるとする意見があります。ISD条項とは、NAFTAの条約に基づいて、企業に対して政府を訴える権利を認めたものであり、カナダが不利な立場に置かれているそうです。また、競争力に劣るメキシコ農業の衰退も指摘されており、麻薬戦争の一因ともされています。加えて、アメリカでも、中間層の崩壊と貧困層の増加を促進したとされていますが、これは、中国経済との関連の方が強いかもしれません。

 TPPは、NAFTAと同一内容である必要はありませんし、多様な国が参加していることを考えますと、NAFTAよりも工夫を要することが予測されます。経済協定もまた、これらの失敗を克服し、さらに進化させるべきなのではないでしょうか。

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