時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

米韓FTAはTPPの反対理由にならないのでは

 近く締結予定の米韓FTAの内容が、”不平等条約”であるとして、TPPの反対を訴える意見が聞かれます。しかしながら、TPPは、8ヶ国による多国間協定ですので、米韓の二国間協定よりも、公平なルールとなるのではないでしょうか。

 二国間協定ですと、両国間の力関係が、ストレートに協定の内容に反映される可能性が高くなります。ここ数年来、韓国は、”経済領土拡大”という不穏な表現で、積極的な対外通商政策を展開してきました。もし、米韓FTAが、指摘されるような”不平等条約”であるならば、韓国の”領土的野心”、つまり、何としても自由貿易協定を結びたい思惑が、アメリカ側に見透かされたのかもしれません。一方、TPPのように参加国が多数となりますと、一国のみに有利となるような協定は、成立しがたくなります。多数の合意を要するとなりますと、ルールの公平性が問われることになるからです。

 TPPについては、内容の詳細が分かりませんので、明確な判断はできない状況にありますが、政府は、できる限り、利害関係者の調整をはかると共に、交渉内容を公開し、国民的な議論ができる環境を整えるべきと思うのです。

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