時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

沖縄”捨て石説”は反日工作では

 本日、我が国は、沖縄での組織的な戦闘が終結してから67年目を迎えました。沖縄の地上戦で亡くなられた方々の魂を慰める慰霊の日なのですが、反戦運動化にとりましては、日本国政府を断罪する日なのかもしれません。

 戦争が終結した後も、地政学上の理由から、沖縄には基地が集中していることもあって、沖縄は、日本国の犠牲となっているとする非難の声をしばしば耳にします。日本国は、沖縄を”捨て石”にしたと…。先の大戦において、米軍が沖縄の地を上陸地点として選んだのも、軍事戦略上の理由からであり、日本国政府が、意図的に沖縄を見捨てて本土だけは助かろうとした、というわけではありません。実際に、本土もまた、沖縄戦に優るとも劣らない激しい空襲を受けており、民間人の死傷者も膨大な数となりました(本土決戦も覚悟していた…)。唯一違いあるとすれば、沖縄戦では、日本軍は戦場にあって闘うことができましたが、本土では、制空権を奪われていたために、一方的な殺戮となったことです。また、沖縄戦を前にして、当時の日本国政府は、住民の本土への疎開などを実施し、被害を最小限に留める努力も怠りませんでした。

 当時の状況を考えますと、沖縄”捨て石”説の流布は、沖縄県民の方々の反日感情を煽るために造られた反日工作なのではないかと思うのです。沖縄県民の方々の中には、”戦争の歴史を風化させてはならない”と訴える方もおりますが、歴史の事実の風化こそ、怖れるべきなのではないでしょうか。

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