時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

ニコン従軍慰安婦写真展問題―表現の自由は捏造を保護しない

 先日、ニコンが、”従軍慰安婦写真展”の開催を予定していた韓国籍の写真家に対して、自社が運営する会場の貸し出しを中止したところ、地裁から、会場の使用を認めるよう仮処分が下されたそうです。ニコン側は、即、異議申し立てを行ったそうですが、この問題、表現の自由の限界をも問うていると思うのです。

 裁判所の判断は、写真家の表現の自由を尊重したものではなく、ニコン側の中止理由も、無料を条件に会場を貸し出したにも拘わらず、主催者側が、入場料をとろうとしたことにあるそうです。しかしながら、より本質的な問題として、捏造を事実と見なす本写真展が、表現の自由によって保護されるべきなのか、疑問なところです。従軍慰安婦が捏造であることがほぼ確定しつつも、来場した人々は、従軍慰安婦を歴史的事実と認識しかねず、虚偽の認識が広まる可能性があるからです(韓国籍の写真家の狙いも従軍慰安婦の事実化では…)。せめて、名称を”従軍慰安婦を自称する女性達の写真展”としなければ、この写真展は、捏造を容認する韓国側の政治的なプロパガンダ以外の何物でもなくなります。

 表現の自由は、政治、社会、文学、芸術…など、多様な分野に亘って保護されるべきものですが、他者を騙す行為となる虚偽の情報発信は、保護の範囲には含まれないのではないでしょうか。今後とも、表現の自由を濫用した同様の事件が発生する可能性がありますので、表現の自由の限界については、予め、議論しておいた方がよいと思うのです。

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