時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

高槻中一殺人事件-犯人の属性と”ネトウヨ”批判

 極めて惨たらしい姿で発見されることになった寝屋川市の二人の中学一年生。将来のある中学一年生を手にかけた犯人の非道さに、多くの国民が憤りを感じているはずです。犠牲になられたお二人の方には、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 この事件につきましては、犯人は在日韓国人朝鮮人ではないか、とする説がネット上に流れております。官報の帰化者リストに犯人と同姓同名、年齢も一致する人物が掲載されていることがその根拠です。ですから、仮に、同一人物であれは、正確には、帰化した韓国人の日本国民となるのですが、その一方で、未確認のまま犯罪者や悪人を在日認定する”ネトウヨ”は、外国人に責任転嫁をしているとする批判もあります。しかしながら、犯人の出身国や身元への関心は、批判者が云う”ネトウヨ”だけではないはずです。事件があまりにも凄惨であり、猟奇的であるが故に、多くの国民が、その原因や背景を知りたいと思うのは当然のことです。否、犯人に関する情報を欠いたのでは、再発防止の手段や予防策を採ることもできません。一般の日本人であれば、日本社会の問題として自省し、犯罪撲滅に努めるでしょうし、帰化日本人であれば、犯罪者に対する帰化の取り消し、あるいは、社会統合の問題となりましょう。そして、在日韓国人であれば、本国への強制送還ができない現行の特別永住資格の見直しも視野に入ります。犯人の属性が、一般の日本人、帰化日本人、在日韓国・朝鮮人…の何れかによって、政府や国民の対応も自ずと違ってくるのです。これまで、差別を理由としてマスコミなどでは犯人の属性を伏せてまいりましたが、犯人自身が自らが起こした事件に責任を負い、そして、その属性が何れであれ、それを生み出す土壌となった社会に反省を促すためにも、犯人の属性に関する情報公開は、決して否定されるべきことではありません。

 ”犯人は外国人”と決めつけているとして批判する側も、逆に、”犯人は一般の日本人”と決めつけています(一般の日本人であるとする証明もない…)。しかしながら、実際に、官報の掲載を見る限り、必ずしも犯人帰化日本人説が虚偽であるとも言い切れません。自らが暮らしている社会の実像を知り、それが抱える問題に正面から取り組むことなくして、再発防止が実現するとは思えないのです。

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