時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

新国立競技場-デザイン性よりも機能性を重視しては

 オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなりますと全世界から注目を浴びるわけですから、開催国は、自ずとデザイン性を重視してしまうものです。コンペティションが開かれる理由も、まさにデザイン性の追求にあります。

 しかしながら、考えても見ますと、オリンピックの真の主役は競技に出場する選手たちであり、メインスタジアムと雖も、脇役的な存在です。陸上等を除いて実際の競技は各地の施設で行われますので、常にテレビ放映などの画像に登場するわけでもありません。しかも、ザハ氏のデザインで問題化したたように、デザインが斬新で奇抜であるほど、実際に建築する際の費用は嵩みます。大会後に要する施設の維持管理費も、割高になることでしょう。また、現在において時代の先端を行くデザインではあっても、数年もすれば”流行遅れ”となるリスクもあり、2020年のその先を見据えれば、逆に、先端的なデザインは、重荷となる可能性も否定はできません。

 このように考えますと、新国立競技場は、機能性を重視し、建設コストを低く抑えたデザインを選ぶべきなのかもしれません。機能性の追求は、結果として無駄のないシンプルな線を描くとも申しますので(線の美しさは日本の美でもある…)、高機能低コストを目指すべきではないかと思うのです。

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