時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

「進化論」から見えてくる人類共通の脅威:「神様志向型人類」と「野獣型人類」の自己・他者診断法

今日は、古代・中世史研究家の倉西裕子が記事を書かせていただきます。「神様志向型人類god (goddess)-minded human」と「野獣型人類 beast human」を見分けるための自己診断、もしくは、他者の言動からその他者がいずれであるのかを判断する方法につきまして、もっとも分かりやすい方法の一つとして、スポーツに対する認識の違いによって見分ける方法を挙げましたが、今回は、もう一つの診断法を挙げましょう。
 
それは、詐欺事件などがありました際に、①「騙した人が悪い」と捉えるのか、②「騙した人よりも騙された人の方が悪い」と捉えるのか、という違いによって見分ける方法です(‘嘘’と‘騙し’は、いずれも、嘘にもとづいておりますが、その違いは、嘘を吐いた人が、その嘘によって自己の利益を得たり、他人の権利を害しているか否かにあります。「ホワイトライ」という言葉がありますように、単に、‘嘘をつく’場合におきましては、悪ではありませんが、その嘘によって自己の利益を得たり、他人の権利を害している場合は、‘騙し’となり悪であることになります。刑法に詐欺罪があることは、この理由に依ります)。
 
「神様志向型人類god (goddess)-minded human」の人々は、ミラーニューロンがありますので、騙された人の心情を察し、①「騙した人が悪い」と当然捉えます。さらに、人を騙すという行為は、人々の信頼関係に基づいて、互いに基本的権利を認め合う社会や世界を築く上での阻害要因であると考えておりますので、善悪の判断として、「騙した人」を悪人と認定することになります。
 
ところが、「野獣型人類 beast human」は、獲物を得るためには、どのような手段を講じても構わないという考え方の持ち主ですので、②「騙した人よりも騙された人の方が悪い」と捉えるのです。
 
昨今の国際情勢に鑑みますと、特に、この見分け方法は重要視しなければならないようです。その理由は、イランの核開発問題における合意において、イランを、①「騙した人が悪い」と考える「神様志向型人類god (goddess)-minded human国であるのか、②「騙した人よりも騙された人の方が悪い」と捉える「野獣型人類 beast human」の国であるのか、という問題がネックとなっているからです。
 
仮に、イランが、②「騙した人よりも騙された人の方が悪い」と捉える「野獣型人類 beast human」の国であった場合、事態はかなり深刻であるということになります。

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