時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

小沢氏側への1億円証言―検察審査会のお手柄

 昨年、検察審査会が小沢氏を強制起訴とした際には、検察審査会を、”しろうとの集まり”とか、”民主う裁判による冤罪”といった、非難の声が聞かれたものです。しかしながら、水谷建設元社長の証言は、検察審査会の存在意義を高めたのではないかと思うのです。

 もし、この制度がなければ、小沢氏不起訴でこの事件は幕を下ろしていたかもしれません。特に、政治家が絡む事件は、検察に、政治介入や外部圧力がかかる可能性が高く、政治力のある政治家ほど、起訴が難しいという問題がありました。こうした中、検察審査会に強制起訴の制度が導入されたことで、起訴独占主義の下で起訴権を握ってきた検察の判断を覆し、小沢氏は起訴されることになりました。法廷で、貴重な証言を得られたのも、強制起訴のおかげなのです。

 尖閣諸島の事件にあっても、検察審査会は、中国人船長に対して起訴相当と議決を行っています。検察審査会における一般国民の判断が、政治の浄化にも大いに貢献していると思うのです。

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