時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

あまりに奇妙な小沢事件―隠し録音の謎

 検察審査会によって強制起訴された小沢氏。一昨日の東京地裁において、元秘書の石川議員の証言が証拠として採用しないことを決定しましたが、この顛末、今後とも、様々な波紋を呼びそうです。

 この事件は、実に奇妙です。もし、起訴内容が事実無根であるならば、小沢氏の関与は、検察が調書を捏造したか、あるいは、脅迫したはずですので、小沢氏側は、検察を厳しく糾弾するはずです。しかしながら、この事件、少なくとも、石川議員によって隠し録音が行われた時点では、検察は、小沢不起訴の方針を固めていたようであり、むしろ、検察と小沢氏の関係は良好なのです(フロッピー改竄事件の前田元検事も、何故か、小沢氏を擁護…)。裁判所では、検察の取り調べを違法・不当としましたが、担当した田代検事は、不起訴を前提に石川議員に聴取を行っています。しかも、隠し録音が証拠として採用され、合法的な行為として許されるとしますと、検察の手続き上の違法性を裁判所が認定すれば、証拠の供述を消すことができることにもなります(録音は、最後の手段として、この手を使うために仕組まれた?検察は、録音を容認していた?)。

 この問題は、検察の取り調べの可視化問題にも繋がりますが、被疑者が隠し録音した場合と、録音しなかった場合とでは、裁判における判決が大きく左右されることにもなります。腑に落ちない点ばかりの事件であることが、小沢氏を取り巻く闇の深さを示しているのではないかと思うのです。

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