時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

尖閣諸島―領有権確認訴訟の道を探っては

 日本国は、尖閣諸島については、中国との間に領土問題はないとする基本的な立場を貫いてきました。その一方で、中国側は、70年代以降、尖閣諸島を領有すべく、着々と手を打ってきております。それでは、日本国には、従来の立場を維持しながら、この問題を、平和裏に解決する方法はあるのでしょうか。

 そこで、一つの案なのですが、日本国政府が、国際司法裁判所に対して、尖閣諸島の領有権確認訴訟を提起してはどうでしょうか。本来ならば、後から尖閣諸島の領有権を主張し始めた中国側が、日本国を相手取って、訴訟を持ちかけるのが筋です。しかしながら、歴史的、並びに、法的な根拠のない中国は、自ら裁判に訴えるのはいかにも不利ですので、中国側からの提訴の可能性は、極めて低いと言わざるを得ません。中国がアクションを起こさなければ、司法解決の道は閉ざされるのですが、確認の訴えであれば、日本国側から、裁判への道を開くことができます。そして、もし、この訴えが認められれば、中国側の領有権主張を取り下げさせることができるのです。もちろん、こうした確認訴訟にも、両国の付託合意が必要になりますので、中国側に付託同意の申し出を行う必要がありますが、たとえ、中国側が応じないとしても、司法解決の道がある以上、安易な武力行使に対する抑止力となりますし、国際社会に対しても、司法解決を目指す日本国の正当性を訴えることができます。

 竹島に関しては、国際司法裁判所への提訴を検討しながら、尖閣諸島については、”領土問題はない”と門前払いする日本国の態度は、ダブル・スタンダードであるとする批判もあります。この批判を払拭するためにも、日本国政府は、真剣に、領有権確認訴訟の道を探ってはどうかと思うのです。

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