時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

中国監視船の派遣は”棚上げ論”の圧力か

 先日一旦帰港した中国の漁船監視船が、尖閣諸島沖に再び派遣されたと報じられています。この派遣、もしかしますと、日本国政府に”棚上げ論”を呑ませるための圧力なのではないかと思うのです。

 近年、1978年の鄧小平発言が独り歩きし、棚上げ論が、既に両国の合意のように語られてきました。しかしながら、日本国政府は、これまで一度も棚上げ論に合意したことはなく、一貫して、両国間に領土問題はないとする立場を貫いてきたのですから、合意があったとも思えません。ここにきて、改めて中国側の打診に応じるとなりますと、領土問題の存在を認めたことになります。当然に、日本国政府は拒否することが予想されるのですが、何としても”棚上げ論”を強要したい中国政府は、漁船監視船を派遣することで、瀬戸際作戦に出ているとも考えられます。つまり、一触即発の状況をつくり出すことで、日本国政府に譲歩を迫っているのです。

 もちろん、棚上げ論の先には、中国による実効支配が既に見えているのですから、日本国政府は、毅然とした態度で断るべきです。そうして、もし、どうしても中国政府が尖閣諸島の日本国領有に異議があるならば、国際司法裁判所に訴えるよう、求めるべきなのではないでしょうか。採るべき手段を尽くした上で、武力衝突となれば、それは致し方がないと思うのです。

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