時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

国際会議の議長国は”ばらまき”の温床?

 我が国が議長国となって開かれていた生物多様性条約の締約国会議は、ひとまず議定書が採択されたことで、成功裏に終わったと評価されているようです。しかしながら、途上国の賛成を得るために、政府が、3年間で1600億円もの提供を約束したとなりますと、もろ手を挙げては喜べないと思うのです。

 仕分け会議で、将来性のある科学・技術関連や防災のための予算を無理無理に削っても、捻出できる予算はわずかなものです。特別会計を探したところで有望な埋蔵金は見つからず、増税路線が既定路線となるという指摘もあります。こうした中で、生態系の保全という大義名分があるとはいえ、財政危機にある国が、一国だけで巨額の支出を負担することは、合理性にも、常識にも欠けています。国際問題であるならば、必要な負担は国際社会で分かち合うべきであり、もし、一国が抜きんでた負担を背負うならば、「遺伝資源」の利用に、何らかの優先権を承認するよう求めてもよさそうなものなのです。

 国会議の議長国としての責任を果たすということなのでしょうが、政府は、国民負担とのバランスを考えるべきと思うのです。最終的な負担者は、国民なのですから。

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