時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

次世代半導体連合は大丈夫?

 本日の日経新聞朝刊の一面に、東芝が、インテルサムスンと次世代半導体の製造技術に関する連合を結成すると記事が大きく報じられていました。しかも、経産省が支援するとのことなのですが、この連合、どうも腑に落ちないのです。

 そもそも、資金規模は100億円ということで、その半分の50億円は、経産省の予算として計上されるようです。日本企業連合への支援と言うことでしたならば、まだ納得しますが、外国企業、しかも、競争相手でもある外国企業との連合に出資するとなりますと、国民の多くは怪訝に思うはずです。特に、サムスンは、我が国の技術者を引き抜くことで成長してきた企業であり、今度は、連合の枠組みで、しかも、日本国民の税金によって先端技術を獲得することができることになります。これまで、市場シェアでは順位を下げても、材料技術では、優位性を保ってきたわけですが、今後は、この分野においても、我が国の企業は競争力を失うことにもなりかねません。

 研究・技術開発が成功した場合の利益や知的財産権の配分も不透明であり、また、100億円規模の資金では、共同開発をせねばならないほど、企業負担が重いとも思えません。国費が投入される以上、政府は、国民に充分な情報公開と説明をすべきと思うのです。

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