時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

我が国の脱原発で中韓が躍進?

 本日、イタリアでは、国民に脱原発を問う第一回目の国民投票が実施されました。ドイツやスイスも脱原発の方針を示しており、日本国内でも、その行方が関心を集めています。

 ところで、我が国には、これらの諸国と異なる原発事情があります。現在、フランスが原発大国として国内に59機の原子力発電所を擁しており、このため、アレバという世界屈指の企業が成長しました。因みに、アレバは、福島第一原発に際して専門チームを派遣し、汚染水処理を担ったことで、我が国でもその名が知られることになりました。実は、我が国も、国内に多数の原子力発電所が建設されていることから、原子力産業が育っており、東芝(米のウェスティング・ハウスを子会社化)、日立(GEと提携)、三菱重工(アレバと提携)が、原子力産業のトップ企業として名を連ねています。ベトナムなど、海外での受注実績もあり、インフラ輸出として、その将来が有望視されてきたのです。

 ここで、我が国が脱原発に舵を切るとなりますと、こうした国内産業は打撃を受けることになり、技術者が海外に流出するとともに、研究・技術開発の拠点としての立場も危うくなります。これを機に、原発維持を表明している中国や韓国が、自国の原子力産業を後押しするために、我が国の受け皿化を狙っても不思議はありません(何故か、脱原発主義者たちは、中国や韓国に対しては脱原発を言わない・・・)。脱原発は、産業の空洞化問題とも関連していることを、忘れてはならないと思うのです。

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