時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

芸能人による脱原発運動の無責任

 昨日の6月11日に、全国で脱原発デモが行われたそうですが、100万人の参加者にはほど遠かったようです。ところで、芸能人が、脱原発運動を煽動することには、問題があると思うのです。

 まず第一に、芸能界は、電力の供給不足の影響を、それほど受けるわけではないことです。原発停止によって、直接にマイナス影響を受けるのは、生産活動を行っている産業界であり、企業に勤めている一般の勤労者の人々です。所得の低下のみならず、雇用不安をも抱えることになるからです。自らは、安全地帯にありながら、原発反対を唱えるのは、あまりに無責任です。

 第二に、知名度の高い芸能人が主張しますと、社会人ではない若者や主婦層が、安易に反応してしまうことです。こうした人々もまた、電力供給の不足が及ぼす経済や産業に与える打撃を無視し、家庭内の節電だけで電力不足を乗り越えられると信じがちです。ここにも無責任さがあります。

 第三に、芸能人である以上、背後に、スポンサーが存在している可能性があることです。自らの意思で行動しているように見せかけながら、実は、”演技”や”演出”であるかもしれないのです。

 国民は、冷静に脱原発運動を見据えませんと、自らを追い詰めることになりかねません。無責任な脱原発運動には、要注意であると思うのです。

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