時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

弁護士出身の政治家は闘争モード

 民主党の仙谷副官房長官大阪府橋下知事は、弁護士出身とのことです。こうした弁護士出身の政治家には、法廷での対立構図を、政治の世界に持ち込むという特徴があります。

 常に闘争モードの思考回路が働くためにか、コンセンサスや意見集約、あるいは、利害の不一致を交渉で解決することは、苦手のようです。例えば、橋下知事は、福井県敦賀市の河瀬市長が、原発が地元経済に活性化や雇用に役立っているとする公開質問状に対して、「そのために原発を維持するというのは本末転倒の議論」と回答し、取り合わなかったそうです。過疎地が原発を誘致し、交付金で豊かな生活を享受する一方で、リスクを受け入れ、一方、都市部は、過疎地への交付金を負担する代わりに、充分な電力の供給を受ける、という取引は、ギブ・アンド・テイクが成り立っていますので、必ずしも批難されるべきものでもありません。当の地元が評価していることを、知事が、頭から否定することには、違和感を覚えるのです。

 政治家は、あらゆる立場の人々の意見や利益に気配りするべきであり、始めから闘争モードで、自らの政策を反対者に押し付けるようでは、まとまるものもまとまらず、迷走するだけです。多くの人々が、納得し、かつ、負担を分かち合うような政策こそ、政治家は、考え抜くべきと思うのです。

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