時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

日本国政府は中国に代わって国民を脅している

 中国当局によるフジタ社員4名の拘束の一報が入った時から、誰の脳裏にも”人質”という言葉が浮かんだに違いありません。未だ1名が釈放されていない状況にあって、日本国政府は、この事件を、ビデオ公開拒否に利用しているとしますと、それは、”共犯”に当たるのではないかと思うのです。

 何故ならば、犯人が言うべき”脅迫”のせりふを、中国政府に代わって日本国民に伝えているからです。中国側は、この事件は、尖閣沖で発生した衝突事件とは、無関係であると表面上は説明しています。一方、日本国政府の方が、この事件は、日本国民の命がかかる”人質事件”と公言しているのです。さすがの中国政府も、”ビデオを公開したら、人質の命はないぞ”と表だって言えないため、日本国政府が、中国の意図をわざわざ汲んで、代弁しているようにしかみえません。

 この構図は、日本国政府が、中国の手下になって、ビデオの公開を求める日本国民を脅しているように見えます。人質を採る行為は、『人質をとる行為に関する国際条約』でも禁じられており、当然に犯罪です。人質と認識しているなればこそ、日本国政府は、犯人である中国に対して、”人質”の解放を強く求め、ビデオを公開することで、国際社会に中国の不当性を訴えるべきと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。
<a href="https://blog.with2.net/in.php?626231">人気ブログランキングへ</a>