時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

テロリストの要求は断固拒否を

 アルジェリアで発生したイスラム武装勢力による人質事件は、情報の錯綜もあり、人質となっておられる方々の人数も、国籍も明らかではありません。しかしながら、テロリストの要求は、決して飲んではならないと思うのです。

 マリでの軍事作戦の中止が主たる犯人側の要求なのでしょうが、漏れ伝わる僅かな情報によりますと、アメリカ人人質が含まれており、テロリストは、アメリカ政府に対して、現在、服役中のテロリストの開放を人質解放との交換条件として求めているそうです。一方、日本国政府に対しては、おそらく、身代金が要求されることでしょう。特に日本国政府は、”人命尊重”の観点から、犯人との交渉を模索する懸念がありますが、テロリストと交渉してはならないことは、国際社会の鉄則です。何故ならば、安易な妥協の”つけ”は、後になって百倍になって返ってくるからです。マリがイスラム武装集団に支配されるとしますと、第二のタリバン政権が誕生しかねないと共に、ウラン鉱が、危険な集団とそのバックとなる諸国の手に落ちます。アメリカ政府が、テロリストを開放すれば、檻のライオンを野に放つように、他の誰かが犠牲になります。そして、日本国もまた、資金を供与すれば、それは武器となって他の誰かの命を奪うのです。

 人命尊重は、否定しえない原則ではありますが、人命尊重の措置が、さらなる命を奪う時、それは、必ずしも、命を尊重したことにならないという難しさがあります。日本国政府は、将来に失われるであろう命をもも考慮し、テロリストには決して妥協せず、人質の救出作戦を遂行していただきたいと思うのです。

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