時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

”公判打ち切り申し立て”で郵政不正事件は迷宮入りか

 郵政不正事件の全容の解明には、シャーロック・ホームズの如き、名探偵の登場を俟たなければならないのかもしれません。村木元局長の部下で、単独犯行であったことを認めた部下の上村被告側が、公判打ち切りを申し立てたというニュースが報じられたことで、この事件は、さらに混迷しそうです。

 何故ならば、公判打ち切りの申し立てで、もう一つのシナリオがあり得ることになったからです。この事件の背後には、組織の影が見え隠れしており、誰もが、本当に単独犯であったのか、と内心、疑問を感じていたはずです。上村被告は、前言を翻し「私が単独で偽造」と落ち着いた態度で語ったとされていますが、もし、弁護士が、検察側の不祥事と混乱による”公判打ち切り”の手を被告の耳もとに囁いていたとしますと、単独犯の事件としての幕引きと被告の無罪を同時に勝ち取ることができることになります。ここに、本当に単独犯であったのか、という疑問が、再び頭をもたげるのです。小沢氏が、自らの弁護人として村木元局長の弘中弁護士を選んだことも、気になるところです。

 検察が、自ら描いたシナリオに事件を当て嵌めようとした強引な姿勢には叩かれていますが、j情報が限られているため、様々なシナリオが描けるのが、この事件の恐ろしいところです(本当は、何らかの組織的な背景があるのでは・・・)。少なくとも、検察側が原因となって公判が打ち切りとなり、犯人が無罪となるような事態だけは、正義の名において避けるべきと思うのです。事件が、正真正銘の迷宮入りとならないように。

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