時事随想抄

歴史家の視点から国際情勢・時事問題などについて語るブログ

心配なSHARPと東芝-中国を信頼して大丈夫?

 経営悪化から去就が注目されておりましたSHARP東芝は、二転三転の末、中国系企業を売却先に選択しました。SHARPを買収した鴻海は、台湾企業とはいえ、中国との結びつきが強く、両者とも、産業の高度化とブランド獲得を目指す中国の”国策買収”に取り込まれる形となったのです。

 中国系企業は、今や製造業において日本企業とライバル関係にありますので、日本国の”国策”からしますと避けるべきでありましたが、巨額の赤字を前に、チャイナ・マネーに屈せざるを得なかったのかもしれません。SHARPは鴻海への技術流出はないと説明しておりますが、東芝と美的のケースでは、家電部門の先端技術がそっくり中国に流出するのではないでしょうか。
 残念な限りなのですが、中国系企業を信頼して大丈夫なのでしょうか。SHARPと鴻海との交渉では、既に鴻海側が条件を動かしており、正式調印は4月以降にずれ込むとも報じられております。最初は、相手方の承諾を得るために破格の条件で合意しつつも、囲い込んだ後になって条件を変えるのは、共産主義国家の常套手段です。香港然りです。

 中国系企業は、雇用等の維持を約束してはいますが、結局は、本社から役員が乗り込み、大ナタを振るうのではないでしょうか。あるいは、新規雇用は、中国系で占められるかもしれません。一度手に入れたものは、たとえ入手に際しての約束があろうとも、”煮るのも焼くのも勝手”というのが大陸風なのですから、中国系企業には用心すべきであったのではないかと思うのです。

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